一日部長
『一日部長』それはこの立海大付属テニス部という長い歴史を持つ学校の中でなぜか創立当初からあった謎の行事である
その待ちに待った日があと数日で、我がテニス部にもやってくるのである
かくして部室では緊急ミーティングが開催されていた。
柳幹事「では一日部長についての会議をはじめる。誰か推薦者などあるか?」
真田副部長「蓮司、今更そんなものは必要ない。幸村不在をまとめあげた実績を持つ俺が今まで通りやればいいだけだろう」
柳「却下だ」
真田「早っ!なぜなのだ!?理由を解りやすくかつ、的確に、レポート用紙2枚にまとめた上で…」
柳「お前のそういう所がうざいからだ」
真田男泣き「セリフの途中だったのだが…」
柳「アホは放っておこう。マネージャー、誰か他に適任者はいるか?」
マネ「え?いきなり振るねぇ。適任って言われても…ブン太はおやつタイムを設けろとか言いそうだし」
丸井「っなんでわかったんだよ!?お前エスパーかよ?」
マネ毒舌「赤也は格闘ゲームでは飽き足らずリアル世界でみんなを相手にヤっちゃいそうだし」
赤也「おっ。それいいっすね〜!」
マネ毒舌「柳は自分以外興味なさそうだし」
柳「当たり前だ」
マネ毒舌「仁王は権力振りかざしてセクハラしそうだし」
仁王「権力…やるならもちっとスマートにやるぜよ…」
マネ毒舌「柳生は更に悪質なセクハラしそうだし」
メガネ「失礼な!私はまだマネージャーさんに対しては想像を膨らませる程度で済ませてますよ!」
マネ毒舌「ジャッカルは普通すぎてつまらなそうだし」
ジャッカル「おい…地味に傷つくぞ、それ」
マネ毒舌「真田は論外だし…」
真田薄影「うぉい!さっきから聞いてれば、なぜ俺の存在を無視するのだ!?」
柳冷静「…適任者はなしか」
真田男泣き(また無視された…)
ざわつく部室内に響く声。
マネ「ね!そーよ!私がやってもいいんじゃないの?」
メガネ「マネージャーさんが、ですか?」
マネ「他に立候補者がいないなら、私やる!」
仁王「いや、待ちんしゃい。誰もやらんとは言っとらん」
赤也「俺、やりたいっす!」
メガネ「もちろん私も立候補させて頂きますよ」
丸井「俺もやるぜぃ」
柳「やはり、俺がやる確立80%」
ジャッカル凹「俺は辞退するぜ、地味だしな…」
マネ「って、ちょっと待った!ジャッカル以外全員じゃない!どうやって決めんのよ〜?」
赤也「やっぱジャンケンすかね?」
丸井「公平にくじ引きはどうだ?」
仁王「ただ単にくじ引きってのもおもしろくないじゃろから、王様ゲーム方式はどうだ?」
真田久々「王様ゲームとな?なんだそれは?解りやすくかつ、的確にレポート用紙…」
マネ「いいじゃん、それ〜」
柳「では王様ゲームで決めよう。命令をこなせなかった者は即、脱落。最後に残った者が一日部長の権利を得る。それでいいか?」
マネ「おっけーよ!やるからには負けないからね!」
柳「弦一郎、お前ももちろん参加するだろう?」
真田困惑「参加はしたいのだが、王様ゲーム自体がよくわからんのだ。」
赤也「真田副部長は、言われた事を黙ってこなしていけばいいんスよ。文句は言わせねぇッスから」
真田「いいだろう。部長の器と言うものを見せてやろう」
というわけで王様ゲームで一日部長を決めるという、伝統とは縁遠い方法をとった部員たち。
つづく