cherry








なんでだか自分でもわかんない


でも恋しちゃったんだから


しょうがないでしょ?


胸がキュンと痛いのも


恋がはじまったから











今日もせっせとあの人のいる教室へ。

だってクラスが違うだけじゃない、学年だって違うんだから。

恋する乙女は猪突猛進ナノダ。





授業が終わったばかりの3年教室へ猛ダッシュ。


「せんぱーい!真田先ぱーい!」


あたしの存在に気付いてギョッとする真田先輩。


かーわーいーい!

うんざり顔も、シッシッって追い払う仕草もまたグー!


「一緒におべんと食べましょ!」

「・・・・・・・・・」



あら?聞こえてない?



「さーなーだーせ・・・」


「わかった!聞こえているからあまり大声を出すな。他の皆に迷惑だろう」


あたし達を羨ましそうにジロジロ見てるクラスメイト達に言い訳しながらうろたえてる姿も素敵ー!

そんな真田先輩に見とれていると柳先輩が近づいてきた。


「今日もご盛んだな」

「もちろんですとも!若いですから!」

「弦一郎を、頼むぞ」

「はい。任せてください!もう恋心を通り越して母親の心境です!」

「ふ・・・。そうか。頼もしいな」


柳先輩とのおしゃべりはそれなりに楽しいけど、あたしには真田先輩とのランチがなにより優先!

早々に話を打ち切り教室の中をのぞくと・・・


「狽れっ!?いないっ!真田先輩がいないよ!?」


柳先輩も教室の中を見渡し、それを確認する。


「・・すまない。俺が邪魔をしてしまったのでスネて何処かへ行ってしまったらしい」


ん、もー。嫉妬されるなんて、いよいよ愛されてる証拠ね!

柳先輩が多分トイレだろうと言うので、お弁当持ったまま男子トイレまで探しに行くことにした。




───その頃教室では



「蓮二。あいつは・・・行ったか?」

「ん?弦一郎そんな所に居たのか。あの子はお前を探しにトイレへ行ったぞ」


掃除用具入れからこっそり出てきた真田は、用心深く辺りを見回しながら大きなため息をつくと自分の席に座る。


「まったく。あの女子は一体何者なのだ。もう五日も付け回されているぞ」

「弦一郎にもその内分かる日が来る。今は彼女に優しく接してやる事だ」



頭をひねる真田がいた───。








男子トイレの壁にもたれて真田先輩が出てくるのを待つ。

さすがに中までは入れないから、出入り口はがっちりマーク。

真田先輩遅いなあー。

結構時間経ってるよね。

もしかして大きい方かな?

便秘気味なのかも!

よし!今度下剤持ってきてあげよっと!








恋しちゃったんだ

あなたはまだ気付いてないでしょ?