ドッルゲンガー〈?〉








この世には自分にそっくりな人間が三人存在するという───





=青春学園=


部活前の部室はいつもと変わらず騒がしい



ただひとつ違ってたのは



ある話題でもちきりだった事






桃城「そーいや、この前の日曜日に不二先輩見かけたんすよ。声は掛けなかったんですけどね」


大石「へぇ。部活以外で会うなんて珍しいね。不二は何をしてたんだい?」


桃城「それが、聞いてくれます?実は不二先輩…」




桃城の話を聞いていたのは大石だったが、意味深な話し方の桃城に周りのみんなが唾を飲み込む。


桃城「…盗んだバイクで走りだしたんすよ!!」


菊丸「煤iT∇T)
桃のアホ───!!歌の歌詞じゃん!」


桃城「いや!本当なんすよ!日曜日の1時頃、商店街で見たんすよ!越前も一緒に見たよな!」


リョ「確かに盗んだバイクで走りだしてたっすね。その後すぐ警察に捕まっててましたけど」


大石「狽サんな!大変じゃないか!!不二が非行行為だなんて・・・。見間違いじゃないのか?」




4人のやりとりを見ていた海堂が静かに口を開いた。


海堂「…日曜の1時って言ったよな…俺も不二先輩見たっすよ…商店街じゃなかったが…」


大石「桃と同じ時間じゃないか!どうゆう事だい?」




部員の非行行為での部活停止を避けたい大石は、海堂の話に身を乗り出した。


海堂「ロードワークの途中、公園で見かけたんだが…なんか、その…」


大石「なんだ!?言ってくれ海堂。桃は見間違えたんだ。きっと海堂が見たのが本物の不二だ!」




言いにくそうな海堂に詰め寄る大石。


海堂は重い口を開き、信じられない言葉を発した。


海堂「…和服の集団に隊長って呼ばれてて…関西弁で死神とか…言ってたっす…」


菊丸「( ̄ロ ̄lll)
すぐばれる嘘つくにゃー!それって市丸隊長だろー!?」


菊丸に信じてもらえなかったのがショックだったのか、海堂は黙り込んでしまった。


大石「博神って!それもダメ───!!」


河村「大丈夫。その時間には不二うちの店の前を通ったから、こっちが本物だよ。安心しなよ。大石」




更に割って入ってきたタカさんは、河村すしの前を通ったと言う不二について話し出した。


河村「人斬り抜刀斎って呼ばれて色んな人を斬ってたよ」


菊丸「(-∀-;)
それって剣心じゃーん!!


大石「柏l斬りって…!不二って人、斬ってんの!?…イタタ…胃が…」




心配のし過ぎで持病の胃痛が大石を襲う。


静かに見守っていた手塚が大石の肩に手を乗せ、言った。


手塚「心配するな。大石。同じ時間に並木道で黒い怪しげなノートに大石の名を書き込んでいる不二を見た。皆が見たのは不二ではない」


大石「…そうか。手塚がそう言うなら安心だ」


菊丸(…って!!それって一番やばいじゃんか!!痛いのは胃じゃなくて心臓だにゃー!!)


胸を押さえ笑顔でうずくまる大石に誰も何も言えなかった…。








乾「皆(特に大石)落ち着け。ドッペルゲンガーと言うのを知っているか?」


海堂「自分と同じ顔の人が世の中には三人いるっていう…」


乾「そうだ。だから同じ時間に不二(らしき人物)が複数の場所にいてもおかしくない」


菊丸(明らかに不二じゃないのが三人いるんですけど…)


リョ「でもそれって自分の他に三人なんでしょ?実際は四人見てるんだから、四人の内に本物の不二先輩が交ざってるって事っすよね?」


菊丸(…消去法から言って部活停止だな…)







大石は倒れた。






Fin.









どーもー。佐波屋です。

すいません。隊長と剣心全然知りません。
そのためおかしな箇所があっても笑って見逃してね。
だってギャグだもん。
ちなみに不二は補導されてました。