知っているよ
当番日誌を書く俺の隣で、ピンクの小さな手鏡を覗き込む。
「はぁ」
「人に日誌を押し付けておきながらため息か?」
俺の言葉は耳を右から左な様子で、は鏡を見ながらもう一度ため息をついた。
「なんでわたしの睫毛はこんなに短いのかな」
「…それは今すべき話なのか」
「睫毛がもう少し長かったら、もっと可愛いはずなのに」
今度はこちらがため息をつく番だ。
「その発言では、現段階でもある程度可愛い、と受け取れるのだが」
「……柳って失礼なやつだね」
は頬を膨らませて手鏡を制服のポケットに入れた。
その様子が可愛らしくて、ふ…と小さく笑い、日誌にペンを走らせる。
「柳はいつも目を閉じてるから、わたしの可愛さを知らないんだよ」
そんなことはない。
お前が可愛い事はよく知っているよ。
「くだらない事を言うのはこの口か」
「ひへ!」
の唇をつまんでやった。
「はい、可愛い可愛い」
「なにすんのっ」
の唇は指に柔らかな感触を残してあっさりすり抜けていった。
顔が赤いのは、怒っているからか?
いずれにせよ、俺の目にはそんなが可愛く映ってることに変わりはないのだが。
END。
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見ている人はちゃんと(?)見ていて、魅力を解ってくれるのです!
…きっと。←願望(笑)
コッソリ佐波屋さまに捧ぐ、とか言ってみたり……
ちょっと遅れたバレンタインということで(汗)
** 水城紫明様に頂きました!本当にサプライズで鼻血出ました。ほんっとーにありがとうございました!
佐波屋 **