THE・勘違い片想い










全てデータ通りにいく







そう思っていた







に会うまでは…







「初めまして!新マネージャーのです!よろしくお願いします!」





元気良く挨拶をして、ペコリと頭を下げる





「ほう、可愛い子じゃの」


何故か仁王のこの言葉に焦りを感じた







そして、この焦りは現実となった







「やだ、何言ってるんですか、仁王先輩!」


「本当のことだぜよ」


「もう!知らない!」







いつも二人で仲良さそうに話している


部内では付き合っているという噂まで立った


だから、俺は自分の気持ちに気付いていたけれど、知らないふりをしていた




彼女の周りの男子との親愛度から見ても、やはり仁王が圧倒的に高かった




少し落胆しながら帰ろうとすると




「柳先輩、今帰りですか?」


「ああ、そうだが」




から声を掛けられた


表面上は冷静にしてみたが、本当は心臓が高鳴っていた




自分が赤面していないかが気になってしまう




…まったく情けないな。真田に見られれば、96%の確率で「たるんどる!」と言われるだろう

「一緒に帰りませんか?」







入部の挨拶のときのような笑顔で言う






俺は反応出来ずにいた





「あの、ダメですか?」



少し残念そうに言う



何故そんな顔をする?そもそも君は仁王と帰ればいいだろう




いつもの俺ならそう言っていた筈なんだが…




「ああ、すまない。別に構わない。途中まで送ろう」




急いでそう言った




「ありがとうございます!」






頼むから







そんな嬉しそうな顔をしないでくれ









俺が…


期待してしまうだろう






「柳先輩は…」


「柳先輩って…」


彼女はよく喋りよく笑った




このまま永遠に続けばいいと思っていた時間は、早くも過ぎ去った





「俺はこっちだ」


「私とは反対なんですね」


「ああ。そのようだ」






実は知っていた



彼女のデータは全て






…俺は危ない人か?






「あの、柳先輩!」


「なんだ?」


「…好きです!」





真っ赤な顔をしながら






しかし俺を真っ直ぐに見る






「今、何と…」


「好きなんです。柳先輩のことが。入部したときからずっと…」


「しかし…君は仁王と…」


「仁王先輩には、相談にのってもらっていただけなんです」




誤解しないでください、と付け足す彼女






「俺も…お前が好きだ」





「…うそ…」


信じられないような目でこちらを見ている






「嘘を言うと思うか?」

「いいえ!柳先輩は仁王先輩のような人ではありません!」






…また仁王、か







「すまないが、


「はい?」


「俺といるときは、他の男の話をしないでくれ」



頭を抱えて言う






…全く見苦しい






くだらない嫉妬だ






「ふふ。分かりました!」




彼女は可愛らしい笑顔で答える






少し恥ずかしいのだが






の前だけでは飾らないようにしよう






本当の俺を君に見て欲しいから…






「柳先輩、大好きです!」


「ああ、俺もだ」












「上手くいったようじゃの」


「仁王先輩、今までありがとうございました!」


「いや、ええよ。しかし…あれはなんとかならんか?」


仁王の視線の先には、チラチラと達を見る柳



「可愛いでしょう?」


「俺は柳を敵に回したくないぜよ」



そう言って仁王は離脱!





「あ…。お礼にクッキー焼いてきたのに…。それにしても…」




チラリと柳を見る







もしかして私の彼氏って部内で結構強い?!








に手を出したら皆のプライベートを全て公表する」


「や、柳?」


「もちろん友達関係から恋愛関係まで、洗いざらい全てな」



柳の目が妖しく光る





「「「「いつ調べたんだよ…」」」」







意外と嫉妬深い柳なのでした♪









** 人生ではじめてリクして頂いた小説です。なにもかもがはじめてで、どうリクしていいかもわからなかったのに彩霞様は親切丁寧、素敵な小説を書いてくれました。ありがとうございました!
佐波屋 **