年探偵団








いつもと変わらない日常

事件は音もなく忍び寄る



「♪桃ちゃんダンクでダダンダーン♪フンフンフフーン」

「あっ!桃ちゃん先輩、チースです!」

「おう!一年トリオ、レギュラー目指して練習励んでっか?」

「ハ、ハイ!」



まさに日常

コートに入った桃城はリョーマを見付けるとからかう様に頭を鷲掴みにしている



「でも昨日はすごかったよね」

「あの後僕達も大変だったもんね」

「おい、それよりオレ達、部室掃除当番なんだぞ。早く行かないと海堂先輩に怒られるぞ」

「あ、早く行こう」

堀尾とカツオ、カチローは部室へ急いだ

この後に起こる悲劇など知る由もなし…



「まず床から掃いちゃおうぜ」

「だめだよ。掃除は上から。基本だよ」

「面倒臭いなぁ。?ん?」

「どうしたの?堀尾くん」

「なんだ?これ?なんか、毛が落ちてるぜ」

「あ、本当だ。いっぱいあるね」

3人は辺りを見回す

確かに毛が散乱している

「…い、意味わかんねー…」

「…こんなにたくさん、誰だろう…」

ただでさえ掃除係という損な役回りを押しつけられたのにもかかわらず、更にあまり歓迎しないものが大量に散らばっている現状

目の前に広がる異様な光景

「手塚部長のロッカーの周りだけ、すごいね…」

「…ここで…何か…あったのかなぁ…」

「そ、そんな事ある訳ないだろ!」

「でも…僕、聞いたことあるよ。うちの学校にまつわる…」

「は、ははは。や、やめろよ。そんなの、ぜーんぜん気にしない…も、もんね!」

無理に強がってみせる堀尾と怯えているカツオ

急に背中に寒気を感じた

…カチャリ…

煤I!??

部室のドアが開いた

「〜ー△&□!×@〜!!…」

声にならない叫びを上げた3人の目の前に

「何をしている?」

現われたのは制服姿の手塚だった

「手、手塚部長!」

「びっくりした〜」

心底安心している3人に状況を説明された手塚は

「ふむ、この毛か…」

「幽霊の仕業とか…」

「それはないな」

キッパリ言い放つ手塚

「じゃあ、いったいなんで…?」

「昨日の事は知っているな」

「は、はい」

「あいつの報復だろう。部室から出てくる所を大石が確認している」

「あ…手塚部長が断ったから…?」

「ああ、結果的におまえ達に迷惑を掛けてしまったな」

「いえ、いいんですよ!じゃあ掃除しちゃいますね」

「ああ、頼む」



手早く着替えを終えた手塚は大量の毛をジャージに付けたまま練習に行ってしまった







「でも、誤解してたよね」

「僕も。最初、陰毛かと思ったよ」

「まったく切原の髪の毛かよ!勝手に来て手塚部長に試合断られたからってよう!」

「でも、部長ちぢれ毛いっぱい付けたままだったけど、いいのかなぁ」

「もしかして気付いていないとか?」

「変な誤解されちゃうよね」






その頃コートでは



「フッ部長、まだまだだね」



…誤解されていた…








Fin