特別な日
キーンコーンカーン……
いつものように帰り支度をして校門を抜ける
「あ…」
リョーマくんだ
そっか、今日は練習ない日だったな
桃城先輩が一緒じゃない…って事は珍しく一人か
帰りの方向が同じだから、そのまま、10分ほど歩いた
「ねぇ」
リョーマくんが、振り返って声を掛けてきた
「え?」
「なんか、後つけられてるみたいで、嫌なんだけど」
「あ、ごめん 追い抜こうか?」
「いいよ、別に 方向、こっちなんでしょ?」
「うん」
「じゃあ、横に来れば? 後ろ歩かれるよりマシだしね」
「あ、うん」
ずっと好きだったリョーマくんと、なぜか並んで歩いてます
!!話すことがない
気まずいよぅ…(=-ω-)
「名前、だよね」
「え?知ってたの?」
まーね、とリョーマくんは小さくつぶやいた
「それよりさ、俺が青学に入って、テニスして、気付いたことが3つあるんだけど、聞いてくれる?」
「うん」
なんだろ?
「1つ目は、まだまだ世界は広いって事」
「?ごめん、わかんない」
「強い奴はいっぱいいるって事」
「あー、手塚先輩とか凄いもんね 他にも不二先輩とか…」
「気付いたこと、2つ目」
「うん」
「練習してるとさ、よく見かけるんだよね、あんたの事」
!!
「テニスに興味があるって訳でもなさそうだし、誰かに話し掛けるでもない」
ばれてたんだ…
「そんで、3つ目…の前に…」
「なんで俺が、あんまり喋った事ないあんたに、こんな話するかわかる?」
「私が練習見てたの知ってたから?」
「まだまだだね…」
「俺が気付いたこと、3つ目は…」
「一人の男として、あんたの事が、気になる」
心臓がバクバクしてる
リョーマくんが、言ってる意味が理解できない
「確認なんだけどさ、、俺の事、見てたよね?」
「…うん」
「なら、今日はここまでにしといてあげるよ なんか、何にも考えられないって顔してるし」
「…」
「じゃ、続きは明日 それまでに頭の整理しといてよね」
とだけ言って、リョーマ君は帰ってしまった
私は……
リョーマくんは、私の事が気になるって言った
男として……
さっきまでのバクバクは静かなドキドキに変わっていた
リョーマくん…
明日は、私にとっての
特別な日になる…よね?
Fin