「熱」桃城武のクリスマス








「お、屋台あんじゃん。食ってこーぜ」




「あのさ・・・」




「なんだ?」




「今日ってクリスマスだよね・・・?」




「そうだろ?他になんかあんのか?」




「いや、チキンとかケーキとか食べたいなって思って」




「腹に入りゃどれも一緒だって。おやじ、ラーメンふたつね」




「他のみんなは普通のクリスマス楽しんでるんだろうなー・・・」




「まぁまぁ、俺そういうの苦手だしよ、何していいかわかんねーし。ほら来たぞ、熱いうちに食べろよ」




「・・・いただきまーす・・・。クリスマスラーメン・・・悲しい響きだわ・・・。あ、おいしい!」




「だろ?冬はラーメンに限るって」




「そう・・・だね。たまにはこんなクリスマスもいいかな」




「実際、俺らキリスト教徒じゃねーしな」




「あはは。そうだよね。熱っ」




「大丈夫か?慌てて食べると火傷するぞ」




「うん。ありがと」









「あーおいしかったね」




「体もあったまったしな。お?神社あんじゃん、なんか祈っていこーぜ」




「神社・・・もうどうでもいいけどさ。更にクリスマスから遠のいてる気がする」




「そう言うなって。人ごみ歩くよりマシだろ?お前の分のお賽銭出してやっからよ」




「なら良し!」




「・・・・・・・・・」




「・・・・・・・・・」




「・・・・・・・・・」




「何お願いしたんだ?」




「内緒」




「ちぇ、まいっか。来年もまたこんなクリスマスできたらいいな」




「え?・・・うん!そうだね」




「お、おう」




「えっと・・・桃城くんは何お願いしたの?」




「あ?そんなの、内緒だよっ!」











Fin.