待の二人








今日は土曜日。
若は部活があったけれど午前中だけだったので、一緒に帰ってます。 でもそのまま帰るのもなんかもったいないよね、ということになり、私たちは公園に来ました




「なんか喉乾いたね。私買って来るね!」


「先輩、飲み物なら俺が買って…「いいからいいから!若は座って待っててね」



俺を止めて先輩はスタスタと自販機に向かってしまったので、俺はベンチで待つことにした。









「アレ〜?アンタ氷帝の日吉くんじゃん」


「お前は立海の切原‥」



待っていると後ろから声をかけてきたのは立海の切原赤也。
俺がこないだの新人戦で戦ったヤツ。




「何でお前がこんなところにいる?立海は神奈川だろ?ここは東京だが」


「えぇっ!?マジ!?ここ東京!?」


「自分がどこにいんのかもわかってないのかお前‥;;」



驚いている赤也に、ちょっと呆れ気味の日吉



「イヤ〜なんかどっかで試合あるらしいんだけど途中で迷っちまってさ〜」


「フン…バカのバカさ加減にはうんざりするな(ちょっと見下し)」


「カチン)なんだとこのキノコ頭が(怒)」


「ワカメ(半笑い)」


「‥…日吉てめぇ‥ぶっ潰す!!(怒)コート出ろコート!!」

「上等だ」



何を言われても動じない日吉に対して、危険モード発生寸前の赤也
それでもテニスで勝負するのが彼らのいいところです♪(何が)




「若お待たせ〜!あれ?あなた確か立海の…赤也くん?」



「そッス!!立海大2年エースの切原赤也ッス!あんたは確か氷帝の‥あんときはどーもッス!」



「ふふ、覚えててくれたんだ!最近寝過ごしてない?」



が来た途端に赤くなりつつあった切原の目が元に戻っていった
そして何故か会話のはずむ二人に疑問を持つ日吉



「先輩、切原のヤツと知り合いなんですか?」


「あぁ、それはね‥…」














時はさかのぼり、それは新人戦の日。私は若の応援のためバスで試合会場へ向かっていた。
レギュラーみんなはもうすでに会場に着いているらしい





「ZZZ…‥」



「(この人‥今日の試合出るんじゃないのかなぁ;;いいのかしら?もう着くのに…)」



隣りの席に座っている人は熟睡中。横にはテニスバッグがある
もう次なのに起きなさそう…起こした方がいいかな?



「あの〜‥テニスの試合でる人ですよね?もう会場着きますよ」



少し肩を揺すって、寝ている男の子を起こした



「んあ〜‥やっやべ!寝過ごした!?」


「いえ、今着く所です」


「あそっか。よかった〜誰だか知らねぇけど起こしてくれてありがとッス!」


「いーえ♪」




行く目的地が同じということで、私はその男の子と会場へ向かった。




「ね、あなた学校はどこなの?」


「俺ッスか?立海大ッスよ」


「立海大‥あの全国2連覇の?」


「よく知ってるッスね、俺その立海大の期待のエースなんスよ!!」


「えっじゃあなたもしかして‥」



今日の若の対戦相手かもしれない…
若相手は立海大だって言ってたから‥






私がそんなことを考えていると、こちらに向かってくる人物が目についた


「赤也っ!!!貴様今何時だと思っている!?たるんどるぞ!!」


「ゲッ!!さ、真田副部長…;;」



「(同じテニス部の人?にしてもすごい勢いで怒ってるなぁ;;)」



「失礼だが君は?赤也の知り合いか?氷帝の生徒のようだが」




私が怒鳴ってる人にあっけにとられていると、横から落ち着いた感じの人が話しかけて来た。目は開いてるのかな;;



「あ、いえ。私はたまたまバスで一緒になって‥寝過ごしそうだったんで起こしてあげたんです」



「そうか。うちの赤也が迷惑を‥すまなかったな。」



「(赤也くんていうんだ‥)いえどういたしまして!じゃあ私は自分の学校の所に戻りますね」






そうして私は氷帝の所へ戻った。

試合時間になって応援席で見ていたら、若の対戦相手でもうびっくりした



「(あ…あの赤也くんて人‥若の対戦相手だったんだ…)」











「というわけなんだよ若。」



「‥そうですか」



「そういえば!!先輩名前何て言うんスか?こないだ聞こうと思ったのに副部長の説教が長くて…先輩いつの間にいなくなってるんスもん」


「あぁ私?私は…」



「待て切原」



「あぁ?なんだよ日吉」



切原と先輩は前知り合いで、しかも今日切原は先輩に名前を聞こうとしている

この態度の変わり様…





俺はすぐに制止に入った。このままほっといたらコイツ、先輩にいろんな事聞きだしそうだからな




「悪いが先輩は俺の彼女だ。だからお前が名前を知る必要はない」



の一歩前へ出て、切原との間に入る日吉




「わっ若っ…!!///」




「日吉‥おめぇ…今何つった?」




信じられないという様子で聞き直してくる切原にもう一回言ってやった。



「先輩は俺の彼女だ。聞こえなかったか?」



「…‥…‥。(真っ白」






「日吉ぃ〜!!やっぱりてめぇぶっ潰してやる!!!ラケット出せ!!」



「フン、返り討ちにしてやる」




二人の回りだけなんだか炎が立ち込めているよう。そんな雰囲気には困っていた



「な‥なんだかよくわかんないけど二人とももっと温厚になろうよ;;」







♪〜♪〜♪




そして鳴り響く着メロ。



「なんだよ〜!今いいとこだってーのに」



どうやら切原の携帯のようです。不機嫌な声で切原が電話に出ると…



「はいきりは…『赤也!!!貴様どこをほっつき歩いてる!?練習試合はもうとっくに終わってしまったぞ!!』



キィィーン‥



電話に耳をあてていないと日吉にも聞こえるほどそれはそれはデカい声だったらしい



「立海の人すごいわね…」


「跡部部長よりすごいですねアレは」




「んな怒鳴んなくても聞こえてますよ〜。てかもう試合終わったんスか!?じゃ、俺行かなくても… 『バッカもーん!!!すぐに来いいますぐ来い!!来たら柳と説教が待ってるからな!! 』



「ゲッ!?柳先輩もッスか!?わわかりましたよ!行きますって!」




ピッ




「あーなんか俺行かなきゃなんねぇから。勝負はお預けだ日吉」


「まったく‥道に迷うからいけないんだろう」


「うるせぇ!あっあとそこの先輩も!今度会ったら日吉を倒して俺が先輩の彼氏になりますから♪楽しみにしててくださいよ?」


「おい、俺は負けねぇぞ(怒)」


「ふふっこちらこそ楽しみにしてるね!」



「じゃーな日吉!それに先輩も!」



そうして赤也くんは学校の人達の元へ。
私はそんな赤也くんを見送りながら、若に言った



「赤也くんか…面白い人だね!」



「そうですか?」



私がそう言うと、若は少し不機嫌そうな声で答えた 。




「あら?もしかして焼きもち?」



「悪いですか///」




少しバツが悪そうに答える若がとても可愛くて‥
私は若の肩にコツンと頭を寄り掛からせて言った



「せ、先輩?」



「ちがうよ若。若といいライバルになりそうだなって事!私の彼氏は若だけだよ…」



先輩‥俺絶対負けませんから」



「えっ?」



「切原なんかに先輩を取られる訳にはいきませんからね」



「うん…///じゃあ私、そのときの試合は一番の席で若が勝つ所を見たいな」



「ええ、楽しみにしててください先輩」




若と赤也くんの試合が実現する日、もしかしたら私はもう高校生かもしれない。< br>
もしそうなったら、学校休んででも、塾を休んででも絶対行かなきゃな、って心の中で誓いました

だって大好きな彼氏の試合だもんね!




END

〈後書き〉

お待たせ致しました佐波屋様!!日吉&赤也夢完結です★
リク通りになっているでしょーか…?何故か少し真田がギャグ口調ですみません;;m(_ _)mちょっと喋らせてみたくなりまして(笑)
ですが赤也&日吉と管理人ラヴな二人を書けてとても楽しかったです☆
佐波屋様、リクありがとうございました!!









** キリ番ゲッツで山川夏歌様に頂きました。まさかまさか日吉と赤也共演なんて。嬉しすぎです!ありがとうございました!
佐波屋 **