ゆき








外のベンチで食べるのが日課の俺のランチタイム。
しかし決まってヤツは現れる。






「やぁ、マイク」


「ジャッカルだよ‥‥何回言えば覚えるんだよ‥‥」


「今日のごはんはなーにかなー?」



そう、部長の幸村精市。
何が楽しくてわざわざ俺のとこまで来るのかまったくわからない。



「カンピョウ巻きだよ。毎回毎回弁当の邪魔するなよな」


「うーん邪魔したいのは山々だけど、残念。実は今からそこの山まで遭難しに行くんだよね」


「秤スちょっと近所のスーパーまで行ってきます的なノリで喋ってんだよ!」


「さてここで問題。俺はどこの山に行くんでしょうか?三秒以内に答えなさい。
‥‥‥‥チッチッチッブー!はい時間切れー」


(超うぜー‥‥)


「正解は‥‥この人に答えてもらいましょう!サナダマン、サナダマーン!」



草影に向かってサナダマンとやら(多分真田だろうが)を呼ぶがやはりと言うか、 誰も来る気配はない。



「あれ?さなだ菌?サナダムシ?どれだっけ?」


「 ‥‥おい、俺今、食事中なんだけど」


「まぁいいや」


(いいなら呼ぶなよ!よりによってカンピョウ巻き食ってる最中にサナダムシはねーだろ。嫌悪感だけが残ったじゃねーか)


「ところで桑田君は暇?」


「だから桑原だよ!」


「俺と一緒に遭難の旅に行かないか?」


「行かねーよ!ひとりで遭難してこいよ!飯食ってんだよ!昼飯食わせろよ!」


「やだなぁ。真に受けちゃって。誰もすき好んで遭難なんかしに行くはずないじゃないか。 相変わらずバッカだなぁ」


「(コロス‥‥!)用事がないなら頼むから自分の教室へ帰ってくれ」


「俺も男だ。そこまで言われちゃ引き下がれないな」


「いやいやいや。男なのは認めるから。引き下がれよ。帰れよ」



まだ甘い。 と俺の手を掴みどこかへ連れていこうとする幸村。

と、必死に抵抗する俺 。



「まじ勘弁してくれ。今日も弁当全部食ってないんだぜ。こんなんじゃファイヤーできねーよ」


そして誰もいない部室へ連れて行かれた俺


「なに!?それはいけない。早急に対処が必要だな」


(いやだから幸村が原因だって)


「よし、では今から緊急ミーティングをはじめよう。まず黒豆くんのファイヤーについて意見のある者はいるか?」


「剥蕪、っておい!」


「意見のある者はいないのかー?」


「俺しかいねーじゃねーか。意見なんかねーよ‥‥。早く帰れよ‥‥」


「ではみんなを代表して俺が意見を述べさせてもらおう。まず黒豆のクセにカンピョウ巻きを食べている件について」


(関係ねー!)


「うーん。ミーティングって二人だとつまんないな。飽きた」


(ならやんなよ!)


「おっとそろそろ時間だな。部活に遅れるなよ」



その後非道にもチャイムが鳴り、やはり昼飯は食えずじまいの俺。


ゆき (むらのせいで昼飯時は毎日)ぱに(っくの俺)。



Fin.


★やばい。 最近ジャッカルと幸村がブームの佐波屋。
しかしこの二人って会話が成り立ってないよね。
やはり国籍がちがうから?(それはチガウ)