幸村想曲








IN立海大附属中学校



「真田、何を持っているんだい?」

「精市か。いやな、こんなものを拾ったんだが」

「・・・手紙?あっこれ!ちょ、返してくれ。・・・読みやがったな?」

「いや、待て。宛名もなにも書いていなかったので持ち主を確認しようとちょっと小細工をして開けてしまったが、断じて中身は見ていないぞ!むろん下心など微塵もない! 俺のこの目を見てくれ。嘘をついているように見えるか?否、ないはずだ。俺は嘘などついておらんからな。 ・・・しかし精市の持ち物だったとはうかつ・・・!かくなる上はこの腹を切って・・・」

「真田の命なんて、俺にとってはメロディが流れる公衆トイレ位どうでもいい些細な事だけど」

「狽ネんと!」

「それに俺のモノなはずないじゃないか。だってほら読んでごらん。 『ミソ!宍戸のひみつおしえるミソ!ぜったいに一番にテニス部ぶ室にくるミソ!』っておばかな文章で書いてあるし。 推測するに宍戸という名前があることから氷帝の誰かの持ち物、もしくは立海に対する果たし状・・・。いやまさかラブレターという手も!?」

「精市・・・勝手に読んだな・・・。犯罪なのでは?」

「何事も結果オーライだよ。しかしアホ丸出しの幼稚な内容だな。 これを人様に読ませるなんて真田がメンノンに掲載される位恥ずかしいよね」

「(めんのん?何かは分からんから返答しようがないが・・・)そうか」

「 じゃあ氷帝に犯人探しに行こうか。じっちゃんの名にかけて!よーいドン!」












IN氷帝学園中等部前



「おはよう真田、1日も待ったぞ。 俺より先に出ておいて後から来るなんて。生意気」

「 はぁはぁ。じ、自分はタクシーで、来ておいて、俺は、まる1日走って・ ・・ようやく・・・東京・・・」

「あぁっ!俺ってば無邪気になんてひどい事を・・・!」

「いや、ハァハァ。いいんだ。精市は、体調が、まだ万全では、ないからな」

「罪もないアリさんを3匹も踏んでしまった!」

「ええっ?・・・そうか。成仏してくれるといいな・・・」

「さて、さすがに広くてどこがテニス部の部室かわかんないな」

「うむ。誰か知ってる顔があればいいのだが・・・」

「そんな事もあるかと思って、準備をしといたよ」

「さすが精市、ぬかりはないな」

「じゃじゃ−ん!斉藤くんです」

「伯「―――!?」

「 さぁ準備はいいかい?この手紙の匂いを辿るんだ!頼んだよ、藤堂くん」

(斉藤君ではなかったのか!?)










「わん」

「さすが近藤くん。ここが部室だね」

「わふ」

「ありがとう。これを持ってとっとと帰りやがれ」

「わん!」

「精市・・・。つかぬ事を聞くが、今近藤君にあげた物は・・・」

「ばかだな、真田。名前を間違えているぞ。あの犬は斉藤くんだ」

「・・・すまぬ・・・」

「話の腰を折りやがって。で?さっきなんて言ったの?」

「さっき斉藤君に渡したものは」

「ん?汚らしい手紙の事?」

「そうか。・・・・・・って、えー!?」

「じゃ、帰ろうか」

「精市がいいなら・・・帰るが」

「こんな所に用はないよ。帰りも走って来いよ真田。よーいドン!」







Fin.




★全くもって意味なし。うふふ。